第2話
小樽・冬
小樽繁栄の原点をたどる
─ 小樽港から祝津へ ─
2日目の旅スケジュール
- 鱗友朝市
- 手宮線跡
- 祝津港
- 日和山灯台と小樽市鰊御殿
- 祝津パノラマ展望台
- ニッカウヰスキー余市蒸留所
- 銀鱗荘
隆盛を小樽にもたらした、
港の賑わいの面影をたどる
第2話は、ニシン漁で栄えた祝津の港と小樽繁栄の象徴ともいえるニシン御殿、そしてその周辺の観光スポットを巡る旅だ。
江戸時代後期から昭和初期にかけて最盛期を迎えた北海道のニシン漁。日和山灯台、小樽市鰊御殿など、現在でもその繁栄をしのばせる歴史的建造物が数多く残るのが、祝津の港町だ。
12月から3月は、小樽市鰊御殿のように閉鎖している施設も多く、訪れる人の姿もまばらな祝津だが、北海道の厳しい自然と、歴史の爪あとを辿るには雪に大地が覆われた、この季節こそがふさわしいのかもしれない。
祝津から車で30分、
ニッカウヰスキー
余市蒸留所。
ポットスチルなどの蒸留施設や貯蔵庫などが無料で見学できるだけでなく、酒屋ではお目にかかることのできないような貴重なウイスキーを試飲することもできる。
小樽のニシン漁の歴史に
思いを馳せ、訪れたい場所
もう1ヶ所、小樽のニシン漁の歴史に思いを馳せるのなら訪れたい場所がある。それは、日本で3番目、北海道初の鉄路として、市内の手宮駅と南小樽駅を結び、さらには札幌へと海産物や石炭を運んだ、手宮線の跡地だ。
1mほどの幅しかないこの一見すれば頼りない線路が、多くの物資を運び、小樽の暮らしを支えてきたのだ。
手宮の街のすぐ近くには
地元の人々も訪れる
鱗友朝市がある。
お土産を手に入れるだけでなく2軒ある食堂で、新鮮な魚介類を味わうこともできる。小樽の中心地からも程近いので、朝食を食べに出かけてみるのもいいだろう。
余市の大網元、
猪俣安之丞が建造した
大邸宅
そして、小樽の旅、第二話の最後に紹介したいのは、余市の大網元、猪俣安之丞が建造した大邸宅を移築した旅館、銀鱗荘だ。
ニシン漁で莫大な富を築いた大網元の屋敷に宿泊すれば、その暮らしぶりがいかに豪奢なものだったのか、うかがい知ることができるだろう。
第3話「心地良き静寂─ノスタルジーの街・銭函─」へつづく
文:ゴルフダイジェスト社 出版部長 近藤雅美