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北向きでも暖かい部屋に!冬の冷えを防ぎ快適に暮らす住まいの工夫

一級建築士事務所 OfficeYuu代表 Yuu

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冬になると北向きの部屋は寒さを強く感じます。そのためつい暖房をつけすぎてしまい、乾燥や結露、光熱費で悩んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、北向きの部屋でも暖かく快適に暮らす住まいの工夫をご紹介します。

北向きの部屋の悩み、
冬の冷気やカビの心配も

北向きの部屋は太陽の光が入りにくいため、他の部屋と比べて室温が上がりにくい状況にあります。また暖房しているのに足元だけ冷える、どこからか冷気を感じるといったことが起きやすいのが特徴です。

実はこの冷えの原因は窓にあります。冬の寒い日に、窓のそばに近づいてみて下さい。暖房で部屋が暖まっているのにもかかわらず、窓の近くで冷気の流れを感じたら、それはすき間風ではなく、コールドドラフトという現象が起きています。

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冷え切った窓に室内の暖かい空気が触れると、急速に冷やされて対流が起き、下方へと流れます。これではいくら暖房しても足元が冷えてしまいます。(画像提供 LIXIL

コールドドラフト現象とは、冷え切った窓に室内の暖かい空気が触れることで急速に冷やされ、対流で下方へと流れていく現象です。これではいくら暖房しても足元が冷えてしまいます。

また北側の部屋では窓ガラスの結露の悩みもあります。結露は、冷たい水が入ったグラスの外側に水滴がつくのと同じ原理で、寒さで冷たくなったガラスに室内の暖かい空気が触れることで発生します。

結露が発生している部屋ではカビの心配もあります。ガラスの周囲を留めているゴムが黒ずんでいたら、それは汚れではなくカビの可能性があります。

北向きの部屋のメリット、
風水でも北向きは学業に良し

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北向きの部屋は、夏は涼しく、落ち着きがある安定した環境を作りやすいので、勉強部屋に向いています。

このように冬には様々な悩みがある北向きの部屋ですが、メリットもたくさんあります。まず夏に涼しいこと。以前に比べて夏場の気温が上がっているため、涼しい北向きの部屋は快適です。また室内へ差し込む紫外線量が少ないためフローリングや家具、カーテン、本などの日焼けの心配がほとんどありません。

加えて1年中、安定した天空光を得られる部屋なので、差し込む光が目に優しく書斎や勉強部屋に向いています。実は風水でも、北は落ち着きや静寂を表し、子供たちが集中して勉強できる学業向きの方位とされています。

窓まわりの小さな工夫で部屋は暖かくなる、
手軽なカーテンの工夫

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サイドを折り返して壁との間にすき間を作らないよう工夫されたカーテンレール。空気が漏れないよう工夫することが大切です。(レガートスクエア / TOSO

冬の環境を整えれば、北向きの部屋は快適になります。そのカギとなるのが、窓まわりの対策です。まずはカーテンを使った手軽な寒さ対策からご紹介しましょう。

実は、空気は最高の断熱材です。厚手のカーテンを使って窓との間に空気の断熱層を作りましょう。ただし空気が漏れてしまうと断熱効果は大幅にダウンします。暖かさを保つポイントは、空気がカーテンの外に漏れないように、すき間なくしっかり覆うことです。

カーテンレールの上部が開いていたらカバーを掛け、サイドは折り返し壁に付けてすき間ができないようにしましょう。また冷気は足元に流れますので、腰の高さの窓でもカーテンを床まで伸ばしておくと寒さを防ぎやすくなります。

断熱性能が高いハニカム構造のスクリーンを取り付ける

断熱効果が高いスクリーンもあります。蜂の巣(ハニカム)構造と言って、スクリーン自体が空気層を持ち、高い断熱効果を発揮します。夏は保冷、冬は保温の効果があり、部屋の中を快適に保ちます。デザイン性が高いので、インテリアのセンスアップもしてくれます。

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高い断熱効果を発揮するハニカムスクリーン。下からだけでなく、上半分を開けることもでき、取り付けが簡単なのも魅力です。(ハニカム・サーモスクリーン ライト / セイキ販売

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スクリーン自体が空気層を持つので高い断熱効果を発揮する。写真は手軽に取り入れやすいライトタイプ。空気層が二重になったより効果が高いタイプもある。(ハニカム・サーモスクリーン ライト / セイキ販売

結露防止、防音効果が高い内窓を取り付ける

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本格的に対策するなら内窓の取り付けがおすすめです。工事時間は一か所2時間程度で完了します。(インプラス / LIXIL

本格的に対策するなら内窓を取り付ける方法があります。今あるサッシの内側にもう1セット樹脂製の窓を取り付けることで、断熱効果はもちろん、結露を防ぎ、防音効果もありますので、快適で静かな部屋になります。

過加湿に注意!加湿器を上手に使いましょう

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調湿機能を持つ加湿器。過加湿にならないよう、快適な環境が作れます。(加湿器HV-H75 / シャープ株式会社

部屋を暖房していると気になるのが乾燥です。冬は湿度が低い上に、エアコンをつけると更に湿度が下がります。そこで加湿器を上手に使って、快適な部屋づくりをしましょう。

注意したいのが加湿のし過ぎです。過加湿は結露を促進させ、カビの原因にもなります。加湿器は湿度コントロールができるタイプを選んで、いつも適正な環境を作るよう心がけましょう。寒い冬も、住まいの工夫で暖かく快適に過ごしましょう。

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※コラムの内容や掲載商品は執筆時の情報であり、予告なく変更される場合がございます。最新情報をご確認ください。実施する際は、お客様ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

Yuu

一級建築士事務所 OfficeYuu代表 Yuu

一級建築士、 インテリアコーディネーターとして数多くの現場経験や相談実績をもち、住宅リフォームコンサルタントとして快適な住まいづくりのノウハウを発信している。