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Vol.4「照明にこだわった暮らし」後編

インテリアプロデューサー 南部昌亮

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居心地のいい空間づくりに欠かせない照明。でも、いざ選ぶとなると種類も多くて…という方のために、リビング・ダイニングやベッドルームなど、暮らしのメインになるお部屋を中心に、ライフスタイルに合わせるポイントをアドバイスします。

どこでどう過ごしている…? 生活シーンから照明を考えてみる

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照明選びは、その空間を日頃どのように使っているか、一日の生活シーンに沿って考えることから始められるとよいと思います。
ご家族が集うリビング・ダイニングでは、お母さんが料理をしているそばで、小さなお子さんが宿題やお絵かきをしていたり、お父さんが新聞を読んでいたりと、ダイニングを中心に過ごされているご家庭も多いのではないでしょうか。
あるいは、リビングにワインセラーを置いて、週末になると友人を招いてホームパーティをしているなど、来客をもてなすことが生活の一部になっているというご家庭もあるかもしれませんね。

そのように、同じスペースでもダイニング主体の暮らし、リビング主体の暮らしと、ライフスタイルによって使う目的も異なりますので、ご自分がそこで何をし、どう過ごしているのかを考えながら、必要な照明のイメージを思い描いてみてはいかがでしょう。

意外に難しいダイニングテーブルとライトの関係

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ダイニングでは、どの位置にどんなライトを取り付けるか悩まれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デザインの好みもありますが、吊り下げ型のペンダントライトの場合、長方形のダイニングテーブルには長方形タイプ、円形のテーブルには円形タイプのライトを合わせると、光が行き渡りやすくなります。
例えば、一般的な160cm幅の長方形のテーブルなら、ライトは幅120cm程度の長方形タイプと、ダイニングテーブルの幅に対して7割ぐらいのサイズを目安にされるとよいでしょう。テーブル全体を照らすことができ、インテリアとしてもバランスがとれると思います。

ペンダントライトは、テーブルの天板から70cmぐらい上の位置にライトの下部がくるように取り付けると、ご家族の顔を見渡せて、料理にもきちんと光が当たります。
ライトの色温度は、家族団らんの場としての役割を考えると、基本的には昼よりも夜の時間に合わせて、夕食の料理が美味しく見えるように設定するとよいのではないでしょうか。お子さんの宿題など、食事以外でもダイニングテーブルをよく使うという場合には、調光器を付けておくと、電球色、昼白色など、目的に合った色温度に調整できるのでおすすめです。

光から光へのシークエンスで、寝る前のひとときを楽しむ

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照明を重視したいもうひとつの空間が、くつろぐ為の空間であるマスターベッドルームではないでしょうか。
では、どう快適にするかということですが、天井のシーリングライトから順に、フロアライト、タスクライト、サイドデスクライト、そしてフットライトと、
5段階の位置に照明を配しておくと、どんなシーンにも対応できると思います。

天井の灯りを消したら、フロアライトを点けて、ラウンジチェアで読書をしたり、タスクライトの置かれたデスクで、ちょっとパソコンを眺めたり。
ホテルなどには手元だけを照らすクリップライトのような読書灯がよく設置されていますが、ベッドの中で本を読みたいときは、サイドデスクライトとして、そういった照明を取り付けるのもおすすめです。
また、ベッドマットを床に直置きして低く暮らしたいという場合は、行灯をひとつ配して、光がバウンドするように屏風などを置いてみてはいかがでしょうか。和のテイストが感じられる温かみのあるコーナーになり、穏やかに過ごせるのではないでしょうか。

天井から1つずつ順番に灯りを消していって、眠るまでの間、光のシークエンスをゆっくり楽しむ。寝る前の満ち足りた時間を、ライティングで豊かに演出してみてはいかがでしょうか。

美しさや個性を体感し、自分に合う照明との出会いを

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照明器具のデザインについて一つひとつ、吟味するのも楽しみですが、フロアライト、テーブルライトなどを、すべて同じシリーズのもので揃えても、空間に統一感が生まれて素敵に仕上がるのではないでしょうか。 フィリップ・スタルクなど、作家性のあるデザインでも落ち着いたイメージのライトもありますし、日本の住空間には北欧のライトも合うと思います。
よりアート的なものを好まれる場合は、ポルタ・ロマーナというイギリスのブランドもおすすめです。1点1点がハンドメイドで美しく、個性がありながら空間になじませやすいデザインで、国内の代理店でも輸入販売されていますので 探してみてください。

形や質感、使い方など、実際に体感することがいちばんのヒントになると思いますので、できるだけショールームに足を運び、ときには優れたホテルの非日常的なインテリアも楽しみながら、ご自分の好みやライフスタイルに合った照明を選んでみてはいかがでしょう。

インテリアプロデューサー 南部 昌亮

フォワードスタイル株式会社 代表取締役社長
インテリアプロデューサー 南部 昌亮

住空間の心地よさとはデザインの美しさと品質、機能性の調和だと考え
住まう人の視点やライフシーンから発想したインテリアデザインを提案している。