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Vol.4 無垢材の家具のお手入れ

家具の魅力とは何でしょう。その機能性は暮らしを便利にし、デザイン性は空間を彩ります。さらに、家族の成長とともに増していく愛着もまた、家具ならではの魅力といえるのではないでしょうか。購入した時点ではなく、今この瞬間が最高だと思える家具が理想です。

しかし、日々の暮らしのなかでキズや汚れはついてしまうもの。家族の歴史として愛おしく感じられることもありますが、カップをテーブルに置いたままにしてしまった輪染みや、子どもの落書きによるマジックの跡など、ときには見過ごせないものもあるかもしれません。すぐに対処すれば拭き取ることもできる可能性が高いのですが、しばらく放置してしまうと難しくなってしまいます。

天然木でつくられた無垢材の家具は、木材本来の美しい色や木目が楽しめるとあって人気です。しかも、オイルで仕上げたものであれば、その美しさはさらに際立ち、メンテナンスも容易だという利点があります。

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:ウォールナットの無垢材を使用した「ワイルドウッド ダイニングテーブル」210,000円〜/マスターウォール。:明るい色合いのナラの無垢材を使用した「ルントオム 丸テーブルφ110」116,000円〜/カンディハウス。:節入りのホワイトオークを活かした、表情豊かな「森のことば チェア」48,000円/飛騨産業

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ウォールナットの無垢材を使用した「ワイルドウッド ダイニングテーブル」210,000円〜/マスターウォール。

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明るい色合いのナラの無垢材を使用した「ルントオム 丸テーブルφ110」116,000円〜/カンディハウス。

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節入りのホワイトオークを活かした、表情豊かな「森のことば チェア」48,000円/飛騨産業

今回は、ウォールナット無垢材の家具ブランド「MASTERWAL(マスターウォール)」をプロデュースするアカセ木工(岡山県)で、無垢材の家具を長く使い続けるためのメンテナンス方法を教えていただきました。

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用意するのは、サンドペーパー(目の粗いものと細かいもの各1)、平坦な面がある“あて木”、家具用のワックスとオイル、拭き取り用の布。マスターウォールのオンラインショップでも「オイルメンテナンスキット」(4,000円/税別・送料別)が購入できます。サンドペーパー#320 2枚、サンドペーパー#240 2枚、あて木 1個、ビボス オイルワックス 50ml、カルデットオイル(クリア) 50ml、ウエス 2枚、取扱説明書入り。

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天板に染み込んだコーヒーのシミを落としていきます。

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あて木とサンドペーパー(#240、粒度の粗い方)の間に隙間をつくらないようにペーパーを巻きます。あて木に巻くことで平滑に研磨することができるのです。

あて木とサンドペーパー(#240、粒度の粗い方)の間に隙間をつくらないようにペーパーを巻きます。あて木に巻くことで平滑に研磨することができるのです。

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木目に沿って研磨していきます。局所的におこなうと、ほかの箇所との違いが目立ってしまうので、広い面を研磨するのがポイントです。汚れやシミがひどい場合は、続けてサンドペーパー(#320、粒度の細かい方)で軽くなでるように研磨します。
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出た粉を拭き取ります。粉の量が多いときは水拭きをおすすめします。

木目に沿って研磨していきます。局所的におこなうと、ほかの箇所との違いが目立ってしまうので、広い面を研磨するのがポイントです。汚れやシミがひどい場合は、続けてサンドペーパー(#320、粒度の細かい方)で軽くなでるように研磨します。出た粉を拭き取ります。粉の量が多いときは水拭きをおすすめします。

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木に塗り込むオイルを布に浸します。
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オイルを塗るときも局所的にではなく、木目に沿って広い面を塗っていきます。20分ほど乾燥させたら、表面をコートするワックスを木目にムラなく塗り込んでいきます。それから3時間ほど乾燥させ、サンドペーパー(#320、粒度の細かい方)で軽く研磨します。

木に塗り込むオイルを布に浸します。オイルを塗るときも局所的にではなく、木目に沿って広い面を塗っていきます。20分ほど乾燥させたら、表面をコートするワックスを木目にムラなく塗り込んでいきます。それから3時間ほど乾燥させ、サンドペーパー(#320、粒度の細かい方)で軽く研磨します。

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コーヒーのシミがわからないほど、元通りになりました。

メンテナンスキットが揃っていない場合でも、ホームセンターなどで売っているクレヨンタイプやペンタイプの補修剤でキズを目立たなくすることはできます。深くえぐれたようなキズでも家庭用パテで埋めて着色することもできますが、これは高度な技術が必要となるので、購入店やメーカーに相談されることをおすすめします。

北欧の家庭を訪ねると、たいていひとつは古い家具を見かけます。祖父や祖母の代から受け継がれた家具は、多少のキズや汚れがあるものの、メンテナンスを繰り返しながら大切に使われ続けているのです。長く使うことを想定してつくられた家具は、使い勝手や飽きのこないデザインはもちろん、修理のしやすさまで考慮されています。そして、使う側が愛着をもち、ていねいに接し続けていれば、100年先の子孫のもとまで届けることも可能なのです。