今回のインテリアジャーニーはホテルの空間デザインやインテリアに注目し、おすすめを２号続けてご紹介します。

福岡駅から徒歩７分という場所にありながら、まるで海外のリゾートのようなリラックスしつつも、どこか華やいだ空気に満ちた空間。カリフォルニアのリゾート地パームスプリングスをイメージしたというホテルは、“都会のオアシス”がコンセプトです。

最上階に位置するダブルスイートタイプ。シモンズのキングサイズのベッドをはじめ、ナイトウェアやタオルなどアメニティも厳選されています。

真っ青なプールを取り囲むように建てられたコの字型の建物には、客室が16室。１階はパブリックスペースとなっており、エントランスを抜けるとゲストを迎えるのは、暖炉のあるバーラウンジです。ミッドセンチュリーを思わせる家具は、すべてこちらのオリジナル。落ち着きのある洗練された空間でありながらも、親しみやすい雰囲気が漂います。

日中はプールサイドでカフェメニューを、夜はカウンターでカクテルやライトミールを。使い勝手のいいバーラウンジ「オンザデッキ」。

家具を含め、全館のインテリアプランをディレクションしたのは、あまたのホテルやレストランを手がけるデザイナーの小坂竜氏。内と外との境界があいまいで、館内を光や風が自由に行き来する空間は、まさにリゾートホテルの開放的な空気を感じさせます。また、やや暗めのトーンで統一された内装に、オレンジ色のソファやクッション、照明などが効果的に温もりをプラス。躍動感を演出し、空間に軽快なリズムを生んでいます。

空間だけでなくラウンジやレストランでいただけるメニューも秀逸。レストランはオープンキッチンを備えたメインダイニングのほか、本格的な鉄板料理を堪能できるステーキハウスや、ピザやパスタをつまめるバーラウンジを用意。いずれも食材選びから調理法、盛り付けにまでこだわった料理の数々がゲストを喜ばせています。

レセプションから客室フロアへ向かうエレベーターに乗り込むと、一瞬ボタンが見えないほどの暗さに驚きます。次第に目が慣れてくるものの、目的のフロアでドアが開いても館内の照明は抑えられており、やはり薄暗い。しかし、アートが飾られた廊下を抜け、客室のドアを開けて中へと進むと突然、テラスから光が差し込み、一気に目の前が開けます。その時の爽快感が最高なのです。

客室のタイプは５つ。もっとも贅沢なつくりのダブルスイートタイプは、天窓付きのバスルームのある広々とした空間。プライベートテラスにくつろげば、まるで時間がゆっくりと流れるような安らぎを感じられます。いずれの部屋もシンプルで上質な家具を使用し、快適性を第一に考えつつも、マゼンダの壁にブルーの、またグリーンの壁にはイエローのポップな絵画を飾るなど、色使いにも絶妙な遊び心が添えられています。

マゼンダカラーの壁が華やかな印象のツインタイプの客室。

インテリアの次は、ルームアメニティにもご注目を。上品な香りにファンの多いエトロのバスアメニティが用意されているほか、ナイトウェアは肌触りにこだわったオリジナルのものを用意。タオルやヘアブラシ、加湿空気清浄機などの家電に至るまで、アイテム選びには徹底してこだわり抜いていることがうかがえます。

そんな「WITH THE STYLE FUKUOKA」は、ラウンジでの軽い打ち合わせでも、レストランでの会食でも、大切な人との旅行でも。旅慣れたツーリストや感度の高い大人たちを満足させてくれるホテルと言えるでしょう。

次回は、名作チェアの心地よさを体感できる温泉宿「里山十帖」をご紹介します。