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マンションの相続税はいくら?
相続評価額をシミュレーションしてみよう!

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みなさんは「相続税」について考えたことがありますか?

そもそも「相続税」って……?

相続税は、亡くなられた方からお金や土地などの財産を受け継いだときに、受け継いだ方にかかる税金で、受け取った財産に対して課税されます。しかし、財産を受け継いだ誰にでもかかるわけではありません。簡単に説明すると、一定額以上の相続財産がある場合にのみかかります。

相続される財産には不動産のほか、現金や有価証券などが含まれます。それぞれの財産の金額を決める方法は、財産の種類によって異なり、その金額を「相続税評価額」と呼びます。

※相続財産がマンションのみでない場合は、その他の相続財産(現金や株式など)を合算して財産の総額を算出することになります。

マンションの「相続税評価額」を計算する方法って??

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マンションの相続税評価額の計算方法は

  • 短期プライムレートの上昇
  • 店頭金利の引き下げ幅の縮小

の2種に分けて計算されます。

それぞれにおいて基準となる価格および計算式が異なるため、両者は別物として理解しておきましょう。

建物部分の計算方法

マンションの建物部分は専有部分および共用部分に分かれており、両方とも相続税評価額の評価対象です。

  • 専有部分:住戸の居室内(各住戸の区分所有者がそれぞれ所有している部分)
  • 共用部分:エントランスや共用廊下、駐車場など、全区分所有者が共有している部分

マンションを購入すると、住戸(専有部分)のみならず共用部分もそれぞれの持分に応じて購入しているため、その持分が相続財産になります。

建物部分の相続税評価額は、各市区町村によって決定される「固定資産税評価額」という評価額と同額です。

固定資産税評価額とは、土地と建物それぞれの評価額のことで、固定資産税課税台帳に記載されています。

固定資産税評価額は、毎年市町村から送られる「固定資産税の課税明細書」に記載されているため、手元に保管しておくとスムーズに確認できるでしょう。

「固定資産税の課税明細書」上の固定資産税評価額は、専有部分と共用部分(各住戸の面積に応じて按分された価格)が合算された金額です。

土地(敷地)部分の計算方法

土地(敷地)部分の相続税評価額は、【敷地全体の相続税評価額】を【敷地権割合(各区分所有者の持分)】で按分した金額です。

【敷地全体の相続評価額】

敷地全体の相続税評価額は、「路線価」と呼ばれる価格をもとに以下の計算式で算出されるのが一般的です。

敷地全体の相続税評価額=補正後の路線価(円/平方メートル)×マンション全体の敷地面積(平方メートル)

「路線価」は毎年7月に国税局によって発表され、国税庁のホームページに全国分のデータが掲載されています。
https://www.rosenka.nta.go.jp/

【敷地権割合】

敷地権割合の計算式は以下の通りです。

敷地権割合=各専有部分の床面積(平方メートル)÷全ての専有部分の床面積の合計(平方メートル)

全床面積が5,000平方メートル、相続する住戸の専有部分の面積が50平方メートルである場合、敷地権割合は100分の1(50平方メートル÷5,000平方メートル)です。

マンションを賃貸に出していた方は注意!

相続されるマンションが賃貸に出されていた場合は、相続税評価額の計算方法が変わるため注意しましょう。

賃貸されているマンションには入居者がいるため、自己使用の場合よりも相続税評価額が低くなります。

マンションが賃貸に出されていた場合における相続税評価額は以下の計算式によって算出されます。

建物部分:自己使用時における相続税評価額×(1-借家権割合)
土地部分:自己使用時における相続税評価額×(1-借地権割合×借家権割合30%×賃貸割合)

借家権割合は全国一律で30%に設定されており、借地権割合は地域によって30〜90%の幅で設定されています。

マンションの相続税評価額がいくらになるかシミュレーション

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実際に相続税評価額がいくらになるのか、以下のようなマンションの事例においてシミュレーションをしてみましょう。

  • 建物部分の固定資産税評価額:5,000万円
  • マンションの敷地面積:1,000平方メートル
  • 路線価:100万円/平方メートル
  • 敷地権割合:100分の1
  • 借家権割合:30%
  • 借地権割合:50%
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マンションの相続税は相続税評価額が基準になるため、まずは相続税評価額の計算方法を理解することが大事です。この機会に相続税評価を計算してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール
大谷 惇途

慶應義塾大学卒業。投資・ローン・税金などの金融分野を中心に5年以上の記事執筆経験がある金融ライター、現在はフリーランスで活動中。学生時代から株式投資を中心にさまざまな投資を行う。3級ファイナンシャル・プランニング技能士。

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