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Home 住まいのお悩み相談所 > 9月「服を長くしまうには」

クリーニングと家庭での手洗い、服を長くしまうにはどちらがいい?

今回のお悩み

?最近は、ドライクリーニング表示があっても、家庭で洗ってしまおうという風潮があります。しかし、オフシーズンにしまっておくことを考えると、服がいい状態で長持ちするのはどちらなのでしょうか。プロの意見を伺いたいです。

専門家のお答え

専門家 谷村一美さん

!衣類は素材によって、適する洗い方が異なり、水洗いとドライクリーニングでは、それぞれ落としやすい汚れが異なります。油を含まない調味料や汗など、水に溶ける汚れは水洗いがよく、料理の油ハネや化粧品など、油に溶ける汚れはドライクリーニングで落とすのが効果的。
また、手洗いマークのセーターなどを水洗いするときは、汚れを落とす目的ではなく、さっぱりと着たい時におすすめです。

クリーニングの専門家
株式会社白洋舍 クリーニング事業部課長
消費生活アドバイザー・繊維製品品質管理士
谷村一美さん

水洗いとドライクリーニング、それぞれの特徴は?

水洗いとドライクリーニング、それぞれの特徴は?

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衣類はその素材によって、水洗いに適しているか、ドライクリーニングに適しているかが異なります。ドライクリーニングでないとしっかりと洗えないのは、毛(ウール、カシミヤなど)、絹、“しぼ”のあるもの、しわ加工のある綿製品ですね。

また、水洗いとドライクリーニングでは、落としやすい汚れが異なります。水洗いでよく落ちるのは、油を含まない調味料や汗。ドライクリーニングでよく落ちるのは、料理の油ジミや化粧品などの油汚れ。その汚れが何に溶けやすいか?というのがポイントで、水に溶けるものは水洗い、油に溶けるものがドライクリーニングと覚えておきましょう。

しまう前提で考えると、どんな洗い方がいいの?

しまう前提で考えると、どんな洗い方がいいの?

「手洗い」や「弱洗濯」の表示があれば、こうした衣類でも水洗いできますが、つけこみ洗いや押し洗いや掴み洗いなどに留まり、力をかけることはできません。一方、ドライクリーニングの溶剤は、強い力で衣類を叩いたり揉んだりしても、繊維にダメージを与えにくいという特徴があります。

そのため、生地の織り方にもよりますが、ワンシーズン着た冬物をしまうためには、やはりドライクリーニングがベター。ドライクリーニングでは、水洗いで起こる衣類の型崩れや収縮などのトラブルは少なく、柔らかな風合いに仕上がります。プロが専用の機械で仕上げるので、立体的なシルエットがよみがえるのも良いですね。汗を吸った夏物はその都度家で水洗いがよく、浴衣などのおしゃれ着や、繊細な織り地のものはクリーニング店に相談する方がいいでしょう。また、冬物のダウンコートをクリーニングに出す際は、「はっ水加工」をしておくと、水をはじくだけでなく汚れがついても落ちやすくなるのでおすすめです。

プロが開発したオリジナル衣類ケア用品「SOLOMON」シリーズ

SOLOMONシリーズ

クリーニングのプロである白洋舍が工場技術や長年培った洗濯のノウハウを活かし、メーカーと自社の研究機関「洗濯科学研究所」で共同開発した家庭用洗剤類。中でもウール・シルク用洗剤(写真右)は繊維にやさしく、弱洗濯用としては高い洗浄力が特長。ウールやシルクなどデリケートな素材はもちろん、ランジェリーなどにもおすすめ。

クリーニング店で満足感の高い仕上がりを得るコツは?

クリーニング店で満足感の高い仕上がりを得るコツは?

クリーニングに出す際に失敗しないコツは、どんな風に仕上げてほしいのか、リクエストをすることです。「シミがついているので何が何でも取ってほしい」「シミが残っても風合いを大事にしたい」など、プライオリティを共有することが大切です。

ドライクリーニングでも汗汚れ対応のメニュー(白洋舍では「汗すっきり加工」として展開)がありますので、「ウールでも汗が染みてしまっているのが気になる」という要望も、担当者に伝えることで適切な洗い方が選択できます。この加工は学生服や夏のスーツなどにおすすめですね。

また、デザイン性の高い衣類は、元々どんなスタイルだったのかを伝えることが肝心。例えば、女性のパーティーウエアによくある、襟元の立ったチューリップカラーのブラウスなどは、襟の仕上げ方ひとつで印象が変わってしまうもの。細かくリクエストをすることが、理想に近い仕上がりへの第一歩です。

気になるクリーニング独特の臭い、どうすれば取れる?

スチームアイロン

人によっては気になるクリーニングの臭いですが、実はウールに水分が加わると独特の臭いが発散されます。その理由は、ウールは周囲の湿度に応じて、表面が閉じたり開いたりして、湿気を吸収・放出する性質があるため。

そのため、スチームアイロンをした後、衣類を風通しのいいところに吊るしておくと、ウールが呼吸をして、湿気を吐き出すと同時に臭いがとれますよ。

さらにこの性質を利用して、衣類についたタバコや線香の臭いを取ることも可能。方法は、臭いのついたウール製品を湿気が満ちた浴室に入れ、全体に湿気を与えてから、風通しのいいところに干すだけ。旅先でも使えるテクニックです。

「ハンガー」と「たたみ」、どっちで仕上げる?

「ハンガー」と「たたみ」、どっちで仕上げる?

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また、クリーニングの仕上げで確認される「ハンガー」と「たたみ」ですが、ニット製品はハンガーにかけて保管すると、ニット特有の伸縮性や服の重みで肩が出てきてしまうので「たたみ」がおすすめ。織り地のものや、たたむとシワになるワンピースなどはハンガーがおすすめです。

ワイシャツはよく相談されるのですが、白洋舍では「たたみ」が「ハンガー」よりも多いです。出張が多い方は、パッキングしやすく保管もしやすい「たたみ」が多いようですが、最近は、クローゼットを利用される方も増えてきて、ハンガー仕上げを好まれる方もいらっしゃいます。

防虫剤と防虫加工の違いはなに?

防虫剤と防虫加工の違いはなに?

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最後に、衣類をしまう際、気を付けたいのが虫対策。市販されている防虫剤は、虫の嫌う揮発性のガスを空間に充満させるため、頻繁に開け閉めしていると、効果が出にくくなるので注意しましょう。

一方、クリーニング店の防虫加工は、防虫剤の成分を衣類に染み込ませる方法です。白洋舍の薬剤は、着用しない状態で約1年間、防虫効果が持続。ベビー(赤ちゃん)やペット(わんちゃんねこちゃん)が、万が一、なめてしまっても問題ない、安全性の高いものを使用しており、気になる匂いもありません。

衣類を食べる虫は、主に5月~10月に活動し、暗い場所を好むもの。また、毛や絹は汚れていなくても好んで食べるので、冬物衣料は虫の格好のエサとなります。最近のマンションは気密性が高いので、より気を付けたいですね。

また、最近はクリーニング店でオフシーズンの衣類を預かるサービスも。単にクローゼット替わりのものもありますが、白洋舍の場合は、湿度を管理し、防虫対策を行ったお部屋で衣類を保管させていただいています。大事にしたい衣類があるときはぜひご相談ください。

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