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Home > 住まいのお悩み相談所 > 7月「住宅の保険」

自然災害の多い日本に暮らす私たち。住宅の保険、このままでいいの?

今回のお悩み

?地震や水災など、予測できない自然災害が増えている今、家にかけた保険がこのままでいいのか悩んでいます。火災保険はどう見直したらいいですか。地震保険の補償も手厚くするべきでしょうか?

専門家のお答え

専門家 若島芳将

!火災保険は、まず補償内容を、家族の人数が変わった場合は家財の保険金額を見直してみましょう。地震保険は火災保険と異なり、家屋の修復費用ではなく被災後の当面の生活を支える保険で、火災保険の契約金額の最大50%までとなります。来年1月に地震保険の改定がありますので、ニュースをマメにチェックしておくことも大切です。

家の保険の専門家
野村不動産アーバンネット 保険営業部営業二課 専任課長
若島芳将

火災保険は建物と家財の損害を補償するもの、地震保険は当面の生活費を補償するもの

火災保険は建物と家財の損害を補償するもの、
地震保険は当面の生活費を補償するもの

ご相談に答える前に、火災保険と地震保険の目的と違いについてお話しますね。まず、火災保険は、地震、噴火、津波を除いた自然災害や日常災害リスクに備えるもので、建物や家財を補償するものです

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そもそも、一戸建ての建物を元通りに修繕したり、マンションの内装や設備を新築時と同様の状態にすることを前提にしていますので、「新価(再度同等のものを調達する金額)」で補償されます。そのため、築年数が古くなって建物の価値が下がろうが、地価が変動しようが、保険金額は影響を受けることはありません。

一方、地震保険は、地震、噴火、津波によって建物が損害を受けた場合に、当面の生活費を補うための補償です。よく勘違いされるのですが、地震保険は必ずしも倒壊した家を建て直すための補償ではありません。また、それ単独で入ることはできず、火災保険と合わせて加入するもので、地震保険金額は火災保険金額の30%~50%の範囲内で設定するという決まりがあります。

そもそも地震保険は、1964年、新潟地震の甚大な被害を目の当たりにして、1966年、当時大蔵大臣だった故田中角栄氏が作ったもの。以来、国の主導のもと、民間保険会社が販売・運用するという体制で今に続いています。しかしながら国の資金が投入されていても、最大50%までしかカバーできない、そのことが、地震による損害リスクの大きさを物語ってもいます。

補償内容と家族構成の変化が火災保険見直しのポイント

補償内容と家族構成の変化が火災保険見直しのポイント

では、火災保険をどう見直せばいいかというと、まずは補償内容ですね。約20年前の火災保険は、基本的な自然災害(火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹災・雪災)に限定された商品が一般的でしたが、今の火災保険は、自然災害リスクに水災が追加され、日常災害リスクにも対応し、補償内容が充実しています。そしてさらには、保険会社のプランにあわせて必要な補償を選択することも可能。例えば、「うちはマンションの15階だから水災は不要」といった選択もできます。

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例えば、日常災害リスクの中には、模様替え中にテレビを落として床を破損してしまった…というような突発的な事故も、今の火災保険でカバーできるのをご存じでしょうか。新しい保険はそれだけブラッシュアップされているので、暮らしに合った補償内容が選択できます。

また、家族が増えれば家財が増えますので、その分補償を厚くしてもいいでしょう。ただし、宝飾品や古本、設計図など、特別な価値のあるものは、事前申告が必要となり、明記物件という取り扱いで、別枠で付加することになりますのでご注意ください。

火災保険の対象になる事故は?

以前は自然災害による事故の補償が中心だった火災保険ですが、今では日常災害も補償の対象となっています。あなたの家では、以下のような心配はありませんか?契約内容によっては、火災保険でカバーできることがあります。

火災、落雷、破裂・爆発、風災・ひょう災・雪災、水災、建物外部からの物体の落下・飛来衝突・倒壊等、給排水設備・他人の戸室で生じた事故による水漏れ、騒じょう・集団行動・労働争議に伴う暴力・破壊行為、盗難による窃盗・損傷・汚損、不測かつ突発的な事故

地震保険は地域×建物構造をチェック! 2017年1月の制度改定が契約の見直しポイントに

地震保険は地域×建物構造をチェック!
2017年1月の制度改定が契約の見直しポイントに

一方、地震保険は2017年1月に予定されている制度改定が見直しのポイントになります。その大きな変更点は、損害区分が細分化されること。現在は全損、半損、一部損の3段階に分かれていますが、1月からは半損が大半損と小半損に分かれ、4段階となります。

気になる支払い状況ですが、2016年4月の熊本地震の場合、災害から約1か月半で90%の方が保険金を受け取っています。手続きは、お電話をいただいてから約1週間で鑑定人が現地に向かい、その場もしくは2~3日後に査定をし、保険金請求書を出していただく流れ。2日ほどで入金されますので、最短2週間ほどで手続きが完了します。

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このところの震災で、地震保険は値上がりの傾向にありますが、次の制度改定では都道府県や、ご自宅の建物構造によっては値下がりするところもあります。

また、地震保険の契約期間は1年または5年のいずれか。今5年で契約しておけば、その間は改定の影響を受けないため、心配な方は改定前に契約しておくのも一案です。被災後の生活安定を目的として多くの人にとって重要な保険ですが、火災保険と比べると保険料が割高ですので、当面の生活費なら預貯金でまかなえるということであれば、地震保険に加入しないという選択肢もあり得ます。

通常の地震保険では火災保険金額の最大50%までしか設定できません。ところが「SBI少額短期保険のリスタ」という新しい商品では地震保険とは別に「地震補償保険」があり、地震保険に補償を上乗せすることができるので、地震に対する補償を増やしたい方は、こちらも併せてご検討されては如何でしょうか?

いずれにせよ、地震保険は頻繁に改定され、ブラッシュアップされています。日々のニュースをチェックするのはもちろんですが、専門用語も多いため、迷ったらすぐ保険の専門家にご相談いただくのが早くて安心ですね。

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