LIFE HINT

Home > 住まいのお悩み相談所 > 10月「ご近所づきあい」

住まいのお悩み相談所 ~ ご近所づきあいのきっかけ、
どうやって作ろう?

今回のお悩み

?ご近所づきあいがほとんどありません。日々ここで生活しているのに、顔を合わせる機会も稀。災害時などいざという時、協力しなければならないこともあると思うと、接点を持っておきたいのですが、お近づきのきっかけがなかなか掴めず…。

専門家のお答え

専門家 荒昌史さん

!もともとある自治組織や、集いの場を活用するといいでしょう。マンションで企画している防災訓練やイベントへの参加、一戸建ての場合は町内会への加入や、地元で趣味のサークルなどを探すのがおすすめ。接点ができたら、ご近所同士、時々会話ができるような、ゆるいつながりを保っていきましょう。

ネイバーフッドデザイン/都市の社会課題を解決する専門家
株式会社HITOTOWA 荒昌史さん

隣人は「知らないと不安」という時代

隣人は「知らないと不安」という時代

近隣への挨拶は、引っ越し直後にするのがベストです。しかし、都市部は共働きや一人暮らしの世帯も多いもの。隣家を訪れてもいつも不在で、そのままになってしまうことも珍しくありません。

「隣家に住む人の顔を知らない」のも都市の特徴、などと言われて久しくなりましたが、実は2011年の東日本大震災以降、地域のつながりを求める人が増えています。マンション住民向けのイベントに限っていうと、震災前は20~30%といわれていた参加率が、今や50~60%に上昇。以前は小さなお子さんがいるご家庭か、年配の方が主な参加者だったところ、今は若い1人暮らしの方も増えました。

地震や水害、火山の噴火など、突発的な自然災害のニュースは私たちを不安にさせます。そのために、個々の備えはもちろんですが、いざという時、地域のつながりが安心感につながることは言うまでもありません。強いつながりが欲しいわけではないけれど、知らないと不安。それが今の時代に共通する、世代を超えた価値観です。隣人とは仲良くしておきたいと思っているのは、あなただけではないはずです。

集合住宅と一戸建てでは異なるきっかけづくり

集合住宅と一戸建てでは異なるきっかけづくり

防災訓練の様子

防災訓練の様子

肝心の接点の作り方ですが、マンションか一戸建てかによって、若干アプローチの仕方が異なってきます。

まず、大規模マンションでは、管理組合の方でコミュニティづくりのイベントプログラムを用意していることが多いため、それに参加するのが近道です。また、ほとんどのマンションは毎年防災訓練を実施する規定がありますので、実利的な目的も果たせるのではないでしょうか。

中小規模のマンションの場合についても、管理組合からの情報発信を見逃さないようにしましょう。イベントや防災訓練の案内は、開催の約1か月前にマンションの掲示板でお知らせをしていますので、意識してチェックしてみてください。具体的に要望がある場合は、管理人や管理会社に直接問い合わせてもいいでしょう。管理会社は理事会の補佐もしているため、住民からの意見を理事会で検討してくれる可能性が高まります。

一方、一戸建ての場合は、町会(※)に加入するのが王道。町会には基本的に自主防災組織がありますので、セーフティーネットのひとつとなる可能性があります。

※町内会、自治会、社会福祉協会など、別の呼称もあります。

その他に、隣家との接点として「回覧板」もあります。回覧板が回ってきたら、できるだけ直接手渡しすることを心掛けてみては。入居時のご挨拶だけではなく、その後も定期的に顔を合わせることで、お互いに安心できる関係をじっくり築いていけます。

町会の入り方

各市町村区の役所のホームページに、管轄窓口の案内が記されています。自治体によって、管轄部門と名称が異なりますので、「〇〇区」「町会」で検索してみましょう。役所に電話で問い合わせると、ご自身の住所から、どの町内会に属するかを教えてもらえます。

ゆるいつながりを、時間をかけて育もう

ゆるいつながりを、時間をかけて育もう

入居者交流の様子

入居者交流イベントの様子

こうして近所の方と顔見知りになったら、付かず離れずの心地いい関係を保ちたいもの。まずは笑顔で挨拶するところから始めて、顔を忘れないうちにまた会う機会が持てるとベストです。管理組合、自治会、防災会、イベント実行組織、子どもの友人等の繋がりなど、自分に合ったスタイルを選ぶと、無理なく地域の関係を作りやすいものです。

また、趣味のサークルや集いを探してみるのもいいでしょう。共通の趣味を持つ人が近所に見つかると、継続的に集いやすい上、楽しくご近所づきあいができるもの。一戸建ての場合、植栽の剪定の際に、近隣の家に声を掛け合って植木屋さんを呼ぶというアイディアもあります。1軒だけで呼ぶとコストがかかってしまうところ、みんなで呼べば出張費を抑えられて一石二鳥。地域によっては、家の本を持ち寄って古本市を開くところもあるようです。本を介する交流は、読後の感想を共有することで、心の距離が縮まるのがいいですね。

家なみ

今は困っていなくても、いざというとき、地域とのつながりは急に重要性を増してきます。しかし、それは一朝一夕にできるものではなく、日々の暮らしで育まれていくもの。困った時は持ちつ持たれつの関係になれるよう、ゆっくりと地縁を育んでいきましょう。

{暮らしのヒント} 他の記事も読む