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LIFE STYLE COLUMN

Vol.16「インテリアとはライフスタイルを考えてみること」前編

インテリアプロデューサー 南部昌亮

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今回はオープンしたばかりの「NOHGA HOTEL UENO」でお話を聞かせていただきました。

2018年11月1日に開業した野村不動産のホテル
新ブランド「 NOHGA HOTEL UENO 」→ 公式サイトはこちら

南部 : インテリアというかライフスタイルがかなり変わって来ていると感じています。今まではリビングがあって、ベッドルームがあって、ダイニングキッチンがあってという形で分かれていたものが空間や機能が統合し始めている気がしています。

- 例えばどのようなものでしょうか

南部 : リビングの中に必ず大きなキッチンがあって、そのキッチンを中心にした生活っていうのが増えてきていたりしています。インテリアメーカーもキッチン中心型のライフスタイルを打ち出したりしている。でもこれは好みは相当はっきり分かれますね。女性の方々でも、自分の作っているところ見られたくないっていう方もいれば、非常にオープンでみんなで楽しく作る方がいいという方もいらっしゃる。つまりライフスタイルによって全然解き方が変わると思っています。

- なるほど。ライフスタイルによってインテリアは変わっていくものという事なんですね

南部 : 私の考えですが、一番身体スケールに近いのがインテリアだと思っています。人間を取り囲んでいるので、人次第で色々と変わるという気がすごくしています。つまり、こういうライフスタイルだったらこういうことがありますよねというように、暮らし方によって周りのインテリアの主役は変わるものだと思います。では、どういうのが自分にとって一番心地いいインテリアなのかと最近考えることが増えてきています。

- 心地いいインテリアですか

南部 : これを考えるときに実はものすごく大事なことが断捨離ではないかと思います。これは正確なデータじゃないんですけど、例えばモンゴルの遊牧民の方々は生活用品80点くらいで生活しているといわれています。

- え、80点ですか

南部 : 逆に我々は8万点くらい持って暮らしているというデータもあります。これは極端な例でライフスタイルも違うとはいえ、ようするに持ち物ってそれだけ減らそうと思えば減らせるものなのかもしれないとは思います。人の生活もそうなんですけど、自分の身体や気持ちの部分でも、余裕というかゆとりは絶対必要だなと最近思い始めました。仮に100っていう自分のキャパシティーがあったとして今6割位使って生活していたら4割新しいものが入ってこられる余裕がある。でも8割使ってしまっていると結構いっぱいいっぱいで2割あるはずのゆとりが楽しめなくなってしまうのではないかと思います。

- 確かに6割くらいで生活できると素敵ですよね

南部 : 空間とかインテリアの考え方も同様で、例えばダイニングテーブルがあったとします。小さくするのはもったいない。では足を低くして自分も床に座るスタイルに変える。そうすると天井が広くなり空間としてゆとりが生まれる。その新たに生まれたゆとり対し、自分が何を入れたいかを考えてみることで、そこが自分の楽しむ空間になりインテリアにもつながっていく気がしています。

- 生活もそうですが、空間そのものにもゆとりを持てないと楽しめなくなってしまうんですね。

南部 : 元々日本にはミニマリズムという考え方があり、どんどん引き算していって、究極の美学を追求しようよっていう気持ちがあると思っています。それは捨てる技術と近いものだと思います。例えば何か1つ買ったら1つ捨てる。それは先ほどからお話している余裕・ゆとりを作ることと同じ感覚ではないかと思います。

- お話伺っていて私も捨てられない一人なんだな、と思いました。捨てるのは自分自身と向き合って決断することでもあると思うのでつい後回しにしてしまう。でも今持っているものを6割位にしてゆとりを生みだしたいなと思いました。

南部 : そういう共感をいただけるとすごくうれしいですね。ただ捨てるってやはり勇気がいることなので例えばちょうど住まいを買った時や、あるいはなんかしら人生の節目。子供が生まれたとか。そういう節目で捨てる技術やってみようって考えると比較的実行しやすいかもしれません。ちょっと話がずれてしまいますが、終活っていう言葉がありますがすごく大事なことで残りの人生をどう豊かに生きていくかっていう事を考えることだと思っています。それは残りの時間にたいして、そうか今チャンスでまたちょっと違う生き方できるかもっていう一つのきっかけになるものではないのかと。
こういう考え方がおそらく皆さんがインテリアに興味を持たれた時の一番のヒントになる気がしています。何かの節目の時に一度自分の胸に手を当てて、自分が一番求める空間とかインテリアとかなんだろうかっていうことをよく考えてみることが大切だと思います。 

- 「余裕があるより素敵な自分になりたい」って思っても何から始めたらいいか分からないことも多いのですが

南部 : それにはやはり原点を作ることが大切だと思います。仮でもいいんですが、全部削ぎ落として、原点を考えてみてください。自分のライフスタイル、自分の時間、自分の空間をよく見て、その中からこれはなくてもいいかなというものを見つけてみてください。
そうすると、それがなくなってくることによって新しいものが入ってくる余地ができます。それを繰り返していくと、どんどん自分が身軽になり、スリムになってゆき、ゆとりができることによって新しいものを入れるっていう土壌はできると思います。

- 「原点に返って、初めて自分が本当に好きなものというものが見えてくる。そして、そこがスタートになる」というお話をお聞きして私自身は「どうやって積み重ねよう」ばかり考えてきたんだな、と思いました。

南部 : 私も偉そうには言えませんが捨てる技術、それと自分にゆとりをつくるということができると、初めて自分を見る第一歩になる気がしています。その次に、自分は何がしたいんだろう。一番自分が欲してることは何だろうと真剣に見つめていくことだと思います。

- 私自身、色々なものを引き算していったときに何が入ってくるかすごく楽しみになってきました。

南部 : 余談ですが、学生の頃親元を離れて引っ越すとき、すごくわくわくしませんでしたか。何もないところをどう自分らしくするか。あのような気持ちで自分が何を好きでどうしたいのか、考えてみていただけるとインテリアをもっと楽しんでいただけるのではないかと思っています。

インテリアプロデューサー 南部 昌亮

フォワードスタイル株式会社 代表取締役社長
インテリアプロデューサー 南部 昌亮

住空間の心地よさとはデザインの美しさと品質、機能性の調和だと考え
住まう人の視点やライフシーンから発想したインテリアデザインを提案している。

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