SUITCASE

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世界一の時間と出会う ― SUITCASE

電車を乗り継いでスイスを一周する旅、と聞いて心躍らない人はいないはず。
旅の相棒は「スイストラベルパス」。
今回はスイスフランス語圏の文化の中心地・ローザンヌを起点に
車窓からアルプスの山々を眺めつつ、町から町、その変化を丸ごと味わうものとなりました。
こちらでは本誌で紹介できなかったオススメの場所やお店などをご紹介します。

馬車のレストラン


「スイス人にとって最高の贅沢ってこういうこと?」。そう思わせたのが、馬車を貸し切ったこのレストランだ。サントクロワ(Saint-Croix)の駅からボンヴィラー(Bonvillars)に車で移動し、約束の場所で馬車の運転手と合流する。本物の馬車を見るのも・乗るのも初めて…。恐る恐る馬に近づくと、「大丈夫。この馬は日本語が分かるから話しかけてごらん(笑)」と運転手のおじさんが馬車の乗り口から手招きをした。果たして中に乗り込むと、そこにはコンパクトに設えた木のテーブルとベンチとクッションが置かれ、可愛らしい6席用のレストランになっていた。こじんまりしているが意外と快適。長細いテーブルの上には地元食材で作られたタパスやパン、数種類のチーズ、そしてワイン(スイスのロゼと言えばここで作られる「ウイユ・ド・ペルドリ」だ)などがずらりと並んでる。ワインをあけていざ出発。趣のある古めかしい住宅地をすり抜けると、ぶどう畑や牧場など広大な風景が広がっていく。移り変わる景色を眺めながら、ふと、ここに暮らす人々の日常に想いを馳せてみる。レマン湖の湖畔で休憩を取って折り返し、往復で約2時間。日本では決して味わえない最高の時間を過ごした。
途中、メンバーの一人の携帯電話が鳴り、仕事の話を始めると、おじさんは後ろを振り返って、「おーい、仕事は待ってくれても封を開けたワインとチーズの(美味しい)期限は待ったなしだよ」と大きな声で笑った。

INFORMATION
Claude Jaggi horse-drawn carriages
Address: Claude Jaggi 1426 Concise Phone: +41 (0)24 434 16 71 claude.jaggi@gmail.com

体験をデザインする学校


「あとちょっとだけ(?)若かったら、ここで学びたい」と妄想させたのがこのデザイン学校。取材時に居合わせた70歳オーバーのジャーナリストの男性(from北京)も同じ気持ちだったようで、年間の学費を聞いた後、「食堂はある?一食いくら?」等々、大学のスタッフを質問責めにしていた。
ECALはデザインや建築を学ぶ大学でありながら、学生のクリエイションを社会へプレゼンテーションするなど、一つのブランドとして異彩を放つ存在だ(ボルボ、エルメスなど企業やアーティストとのコラボレーションも盛んで、フィーは学生に還元している)。ここは学ぶ場所であると同時に、人々が集ってアイデアを具現化するための素晴らしい装置とも言える。訪問した日は、ちょうどプロダクトデザイン科の学生が作った模型を写真科の学生がプレゼン用に撮影し、その様子を横で見ながら、グラフィック科の学生が彼らのためにロゴ提案をしていた。(それは、こんな感じに仕上がる https://vimeo.com/63367264
力のあるクリエイションは、言語や文化に関係なく鋭く心に刺さり、前進する力を与えてくれる。この国の社会や風土にそういった力を信じる土台が息づいているのは羨ましい限り。ECALでは定期的にイベントやショーなどが開催されるので、デザイン好きな方は事前にチェックを!

INFORMATION
ECAL
Address: 5, avenue du Temple CH-1020 Renens/Lausanne
www.ecal.ch

電車で訪れたいおすすめスポット8

DESIGN & ARCHITECTURE /
TRADITION / FOOD / CRAFT

©Switzerland Tourism By-line: swiss-image.ch/Christoph Schuerpf

    • 連邦工科大学ローザンヌ校の多目的学習センターだが一般にも解放されている。巨大な波のようにうねる2万平方メートルの空間に、図書館や研究空間、カフェなどが仕切りなく配置される。
      rolexlearningcenter.epfl.ch

    • ©Switzerland Tourism By-line: swiss-image.ch/Christoph Schuerpf

      建築界の巨匠、ル・コルビジェが自らの作品を展示するために1966年に建てた個人美術館。家具や絵画、リトグラフなども建築の中に展示され、コルビジェの世界を総合的に鑑賞できる。
      www.centerlecorbusier.com

    • 自然豊かな山里サント・クロワにある、オルゴール、時計、からくり人形の名品が集められたミュージアム。目と耳で味わう憩いのひと時を。1階のショップではリュージュ社のオルゴールを購入できる。
      www.musees.ch

    • 山間に牧草地が広がるルージュモンは、アルプスの隠れ里。11世紀に修道士の手で築かれたロマネスク建築の教会や100年を越えるシャレーなど、時が止まったかのような風景が広がる美しい秘境だ。

    • 隣村シャトーデーにあるこのレストランでは、100%天然・オーガニックのチーズ作りを見学。アルプスで放牧される牛の牛乳からできたチーズフォンデュはここでしか味わえない逸品だ。
      www.lechalet-fromagerie.ch

    • ラヴォー地区(ヴォー州)、レマン湖沿いの急斜面に広がるぶどう畑は世界遺産に登録される。ここで作られるシャスラワインはまさに自然の雫を思わせる美味さ。毎秋のワイン祭には多くの人で賑わう。

    • 小さなはさみを使って様々なストーリーや風景が描かれるスイスのデコパージュ(切り絵細工)や伝統的なフォークアートが古民家の中に点在する。古の暮らしを伝える生活道具等も展示。
      www.musee-chateau-doex.ch

    • ローザンヌのアートギャラリーなどが並ぶエリアの一角に佇むセレクトショップ。モダンな空間に現代作家の作品やアンティークのクラフトなどが並び、オーナーの審美眼を感じさせる。
      www.aegonaegon.com

スイストラベルパスは、列車やバス、湖船にも有効な鉄道パス。これら交通機関をフルに活用すれば、景観列車で名峰を横断したり、町から町への美術館巡りもリーズナブルかつ手軽に楽しめてとっても便利。パスを日本で購入するとガイドの小冊子が手に入ります。

スイス政府観光局のサイト