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季節を学んで「概念」で考える力を磨こう

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今回は、4歳頃のお子さまに向けた「季節」を題材にした知育についてご紹介します。
おうちにある絵本や図鑑などを使って「季節」にかかわるものを探し出し、抽象的な言葉や概念を身につけていきます。「季節」の理解が深まるとともに、言葉の意味でものを考える力を養うことにもつながりますよ。

季節の理解が「概念で考える力」につながる

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「季節」は抽象的な概念です。春夏秋冬、それぞれの季節はどんなものか。春になると景色はどう変わり、暮らしはどう変化するのか。季節を一言で説明するのはむずかしいですが、それぞれの特徴や変化をとらえることで「季節」という抽象的なものが理解できるようになります。

そして「季節」への理解が深まるということは、言葉の意味でものを考える「概念的思考力」が刺激されるということでもあります。

「季節」への理解を深めることで、

●季節にかかわる情報を正しく受け取る「受容的思考力」
●自然や事物から季節を類推する「集中的思考力」
●季節にかかわる自然や事物を発想する「拡散的思考力」
●季節にかかわることを言葉で正しく説明する「表現的思考力」

などが磨かれます。

季節への興味・関心は、身の回りの生活のなかで、あるいは絵本や図鑑、テレビで流れる映像などを通して促すことができます。遊びの延長で概念で考える力を磨いていきましょう。

身近なもので「季節」の理解を深めよう

特別な教材や道具を使わなくても、親子の会話で自然と「季節」について考える機会を増やすことができます。
春夏秋冬それぞれの特徴を把握するために、「季節はなーに?」ゲームと「季節当て」クイズをご紹介します。それぞれチャレンジしてみてください。

「季節はなーに?」ゲームのやり方

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おうちにある「季節」が描かれたモノを用意します。たとえば絵本や図鑑、あるいは幼稚園・保育園での出来事を記録したアルバムなどでもかまいません。お子さまが楽しく見られるものを用意してください。

その中から見つけたものの名前を、お子さまに答えてもらいましょう。季節が感じられるモノや景色、出来事をピックアップできるとよいですね。できるだけたくさん見つけられるように、「これはなんだろう?」と声を掛けましょう。お子さまが答えたモノの名前は、紙にひらがなやカタカナで書き留めておくと、文字への興味も促せるのでおすすめです。

モノの名前をたくさんあげることができたら、最後に「季節は何か?」と問います。具体的には次のようなやり取りで進めます。

【やりとりの例】

保護者さま「(絵本を指して)これは何をしているのかな?」

お子さま「海で泳いで遊んでいるよ」

保護者さま「そうだね。『海水浴』をしているね。何を着ているかな?」

お子さま「えーっと、水着!」

保護者さま「そうそう。海やプールで遊ぶ時は水着を着るよね。じゃあ、これは春・夏・秋・冬のいつの季節かな?」

お子さま「夏だよ!」

お子さまによる説明は単語の羅列で構いません。保護者さまが言葉を補いながら、季節の特徴を認識させられるとよいですね。

「季節当て」クイズのやり方

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季節にかかわるモノの名前を答えられるようになってきたら、次は言葉から「季節」を推測することに挑戦です。

保護者さまが季節の特徴を説明し、お子さまにその季節は何かを当ててもらいます。

具体的には次のようなやり取りを参考にしてくださいね。

【やりとりの例】 保護者さま「その季節には雪が降ります。雪だるまを作ったりスキーをしたりして遊びます。さて何の季節でしょう?」

お子さま「冬!」

このクイズでは、季節を表す言葉をできるだけたくさん伝えることがポイントです。季節の概念に結びつく言葉をたくさん触れさせましょう。

また、冬であれば「お正月」、夏であれば「七夕」といった行事の言葉も取り上げてみてください。お子さまが行事のことを理解できていなければ、これを機会に一緒に学んでいきましょう。

季節の特徴から言い当てられるようになったら、遊び方を逆にしてみます。「冬にはどんな遊びや行事があるかな?」と、お子さまの言葉で特徴や行事を答えてもらうと、言葉の表現力が身につきますよ。

生活の中で「季節」を学ぶ機会を増やそう

春夏秋冬それぞれの季節で見られる景色や暮らしの変化は、普段の生活のなかでも目にすることができます。家の近くを散歩したり、窓を開けて外の空気に触れたりするだけでも十分季節に触れられます。

たとえば、春は空気が暖かく、花の香りがしてきますね。季節が変わって夏になれば蒸し暑く、緑が生い茂ります。秋には涼しくなり、紅葉した葉が落ちます。冬になれば空気が冷たく、吐く息が白くなります。「季節」を感じられる場面はそこかしこにあります。

教材を使った取り組みだけではなく、ぜひ外に出るなどして実体験として「季節」に触れ、お子さまの世界が奥行きのあるものになるよう意識してみてください。

知育に取り組もうと改まった機会を用意するだけではなく、ちょっとした工夫で普段の生活が子どもの思考力を伸ばすチャンスになりますよ。