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動物をテーマに「抽象的に考える力」を育もう

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今回は4歳頃のお子さまに向けた動物をテーマにした知育についてご紹介します。

絵本に描かれている絵や、図鑑にある写真で動物に親しみ、動物の名前や特徴を覚えていきましょう。動物をテーマに想像をめぐらせ、言葉にしてとらえることで、抽象的に考える力が身につきます。動物が好きなお子さまにぴったりですよ。

動物を深く知って抽象的に考える力を育てる

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目の前にいる動物を見て名前が言えたり、その名前を聞いて動物が指せたりできるのは、言葉で考える力が芽生えてきている証拠です。
その力をさらに伸ばしていくために、動物の理解を深めるのがおすすめです。

たとえば、「きりん」という動物を考えてみましょう。子どもは「きりん」を見てなんとなくその特徴をとらえていますが、それを言葉にすることで「きりん」をより深く理解できるようになります。

・4本足の生き物
・首と足が長い
・木の葉や草を食べる

写真や実物を見たときになんとなくとらえている「きりん」の特徴を言葉にすることで、「きりん」という概念の理解が深まります。

このようにモノの名前と言葉が表す事物を結びつけるワークを繰り返すことで、言葉の意味で物事を考える「概念的思考」が刺激され、

●言葉の意味を正しくとらえる「受容的思考力」
●さまざまな属性から何を表すかを類推する「集中的思考力」
●そのものがもつ属性を正しく説明する「表現的思考力」
●言葉からさまざまな属性を発想する「拡散的思考力」

などが磨かれます。

動物は子どもにも理解しやすく、特徴を見つけやすいので、ぜひ動物をテーマにして抽象的に考える力を磨いていきましょう。

動物の特徴をいろいろな角度から考えよう

今回の練習では、いろいろな動物をいろいろな角度から考えてみるのがポイントです。何という名前なのか?耳や足はどうなっているのか?どんなものを食べるのか?など、一緒に楽しく考えてみましょう。

動物をテーマに、言葉と特徴を結び付ける取り組みを2つご紹介します。
2つとも動物の写真やイラストがたくさん載っている本があれば取り組めます。動物が擬人化されてたり誇張表現がされたりしているものではなく、なるべく実物に近い姿が載っているものを使いましょう。
また、動物のリアルな形がわかるのであれば、ブロックの人形やフィギュアなどでもできます。

ここはどうなってる?一緒に観察しあいっこ

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たくさんの動物のなかから、「これは何という動物かな?」と動物の名前を確認していきましょう。正しく答えられたら、「そうだね。○○だね」とくり返して動物の名前を定着させます。
動物の名前を間違えたときは「そっか。△△を知ってるんだね」とお子さまの答えをまず受け入れてから、「これは●●な特徴があるから◯◯だね」と教えましょう。

動物の名前が言えたら次に、「きりんの首は長いかな?短いかな」など動物の特徴を尋ねていきます。名前を認識して終わりではなく、こうした細部をよく見ることで特徴を理解させます。これによって動物を抽象的に理解していきます。

また、「主に草を食べる」「足が速い」など目に見えない情報も、保護者さまがお話ししましょう。テレビで動物番組を見せるなどして印象づけるのもおすすめです。

1つの動物(言葉)に対して1~2つくらいは、お子さまが自分で特徴をあげられるようになることを目指しましょう。これで言葉で考えて表現する力も向上します。

これはいったい何の動物?あてっこゲーム

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先ほどと同じように、絵本や図鑑などを用意します。今度は動物の体を部分的に隠して、何の動物かをあてる遊びです。

たとえばきりんの場合なら、上半身を手で隠し、「この長い足としっぽは誰かな?」と尋ねます。
ぞうの場合なら長い鼻だけが見えるようにし、「こんなに長い鼻を持っているのは誰?」と尋ねます。
動物の特徴的な部分から推測するように促すのがポイントです。

また、「この動物は足が速いです」など目に見えない特徴をヒントとして、少しずつ伝えていくとより抽象的に考える力が身につきます。

最終的には何も見ずに言葉だけで問題を出し、何の動物かをあてられるようになるのを目指しましょう。

言葉の広がりを楽しもう

1つの言葉から多くの意味が広がることは、子どもにとって新しい世界が開けることと一緒です。

言葉とそれが指すモノの一致にとどまることなく、目に見えない情報も含めて1つの言葉からたくさんの様相が見えてくる、その広がりをぜひお子さまに体験させてあげてください。

事物を言葉でとらえる力は思考力の土台になります。今回は動物を取り上げましたが、食べ物や生活道具などでもかまいませんので、ぜひ小さいうちから興味のあるものをテーマにしてチャレンジしてみてくださいね。