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Vol.21「訪れるお客様がいて完成するホテルという空間」後編

インテリアデザイナー 大橋規子

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前回は「NOHGA HOTEL UENO」のパブリックな空間についてお話をお伺いしましたので今回は客室内のインテリア、特にスイートルームについて語っていただきました。

ホテルというと割と白がベースになっている空間が多いのですが、あえてニュアンスを持たせた空間に仕上げるために
全体的なカラーはニュートラルカラーでまとめています。グレーとベージュを中心にトーン・オン・トーンという色を重ねていくコーディネートです。

また、インテリアについてもオーセンティックなかちっとした印象のものでは無く、様々な形状の家具を合わせることで遊び心を持たせたものを選定しています。
こちらのリビングですが、家具の選定だけでなく、カラーもグレーで統一させつつ、カーテンとチェアのファブリックはブルーにし、ピンクを差し色にすることで遊び心を表現しています。

ベッドルームのこだわりはやはり洗面スペースをお部屋の一部として設えていることです。空間として広いお部屋なのでベッドスペースと洗面スペースの間にクローゼットを設える事でエリア分けをしています。
明確に分けてしまうのでは無く、緩やかに空間としてはつながっていると感じていただくためにクローゼットの引き戸はブロンズのガラスにしています。
このブロンズのガラスによってパーテーションとしてエリアを分ける役割と同時に洗面スペースやクローゼットの中が仄かに見えることで閉塞感を感じさせないものにしています。

また、クローゼットの中に照明を入れることでご自身のお洋服をかけた際に ブティックのデイスプレイのように感じていただき、ご自宅の日常では少し難しいかもしれないことを楽しんでいただければ思っています。

先ほどこだわりとしてあげさせていただいた洗面スペースについてもお部屋の一部としてみせるために、家具のように見えるようデザインしています。

こちらは全て一体型で作ったものになります。水栓についてもマットなブロンズの色にし、ミラーの縁や洗面ボウル下のタオル掛けになる金物も全て統一することでお部屋の中にあっても違和感の無いようコーディネートしています。

今回はスイートルームでこだわった部分についてお話させていただきましたが、他の客室でも意識したのは非日常では無く、いつもよりワンランク上の日常ということです。普段お住いのお部屋と繋がるような居心地感がありながら、住宅には無い洗練された部分ということを意識してデザインしています。

スイートルームは丸みのある優しい印象の家具を採用していますが、スクエアものを採用し、ニューヨークスタイルのようにコーディネートしている客室もありますので是非何度か泊まっていただき、お部屋ごとのこだわりを感じていただければ嬉しいです。

2018年11月1日に開業した野村不動産のホテル
新ブランド「 NOHGA HOTEL UENO 」→ 公式サイトはこちら

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エンネデザイン株式会社 代表取締役
インテリアデザイナー 大橋規子

主に分譲マンション専有部のモデルルームデザイン、カラースキーム、仕上仕様デザインを中心に
インテリアコンセプト、インテリアプランからディスプレイコーディネートまでトータルに住空間をデザインしています。