Home > コラム > INTERIOR JOURNEY > Vol.5 ミラノサローネ2017
インテリアの旅に出よう
Vol.5 ミラノサローネ2017 Vol.5 ミラノサローネ2017

INTERIOR JOURNEY

イタリアのミラノ郊外にあるフィエラミラノ(見本市会場)で、毎年4月に開催される家具見本市「ミラノサローネ」が、2017年も4日から9日まで開催されました。

INTERIOR JOURNEY

本会場であるフィエラミラノ周辺の様子。多くの来場者で賑わっています。

世界最大といわれるその規模は、本会場だけでも東京ドーム11個分もの面積を誇り、そのうえミラノ市内各所のギャラリーやショップ、工場や倉庫などの個性的な会場を舞台に、数百ものイベントが同時開催されるというもの。

世界各国からデザイナーやジャーナリスト、エディターなどが一堂に会し、ミラノが1年で最も盛り上がる一週間となります。

全世界に波及するインテリアトレンドの発信源としては、この「ミラノサローネ」が最も有力です。そのトレンドを色、形、素材、照明の順に紹介しましょう。

INTERIOR JOURNEY

今年、家具やブースの装飾に多く用いられていたのはペールトーンのピンク。ほかには、ベルベットなど素材感のある生地には、マスタードイエローや深みのあるグリーンが目立ちました。

INTERIOR JOURNEY

ノルの名作「ワシリーチェア」のフォールディングタイプも、今年はピンクに。

INTERIOR JOURNEY

リバイバルされたマリオ・ベリーニデザインのカッシーナ「932」。メインの展示に使用された張地はピンク。

INTERIOR JOURNEY

ノーマン・コペンハーゲンのブースは壁からソファ、ラグまで総ピンクのコーディネート。

INTERIOR JOURNEY

深みのあるグリーンのソファを主役に、補色のレッドのテーブルをアクセントにしたモーイのブース。

INTERIOR JOURNEY

ヴィットマンのブースでは、マスタードのラグがアクセントに。

そして、大型家具は近年そのシェイプの自由度が増しており、例えばソファでは通常の「2〜3人掛け」や「L字」といった枠ではくくれない、個性的な形のものがインテリアコーディネートの幅を広げてきています。

INTERIOR JOURNEY

自由曲線を描くソファの元祖ともいえる、イサム・ノグチの名作「フリーフォームソファ」が展示の主役に。

INTERIOR JOURNEY

フレックスフォルムのソファには、座面が円形のものも。

INTERIOR JOURNEY

カッシーナから発表されたパトリシア・ウルキオラの新作は“浮き島”がモチーフ。

さらに注目したいのが、昨年に続き注目されている大理石のテーブルトップ。
今年は、より個性的なパターンの石を世界中の産地から探し出してきており、今まで以上のバリエーションが見られました。

INTERIOR JOURNEY

バクスターのブースに展示されたダイニングテーブルの、大理石の天板には楕円形のパターンが。

INTERIOR JOURNEY

トレンドセッターのひとつ、フレックスフォルムでは大理石のテーブルにも個性的なかたちの新作がお目見え。

INTERIOR JOURNEY

今年は、大理石のなかでも特にブラウン系が増加傾向に。

空間の完成度を左右する重要なアイテムである照明に関しては、発熱量の少ないLEDが主流になり、光源がコンパクトになったことで、モビールのような繊細なラインのものが今後のトレンドになりそうです。

INTERIOR JOURNEY

キプロス出身の注目デザイナー、マイケル・アナスタシアデスによる、パーツを連結できる新作「アレンジメンツ」。

INTERIOR JOURNEY

マイケル・アナスタシアデスの「モビールシャンデリア」。

INTERIOR JOURNEY

また今年は、本会場の日本企業によるブースが印象的でした。2010年より市内のギャラリーで展示を続けていたカリモクニュースタンダード、世界をターゲットとするイージーチェア「ベアトリクス」を発表したリッツウェル、深澤直人の「HIROSHIMA」やジャスパー・モリソンの「T&O」という、人気シリーズの新モデルを発表したマルニ木工などが、それぞれの個性的な展示により世界中からの来場者を惹きつけていました。

INTERIOR JOURNEY

カリモクニュースタンダードのブース。住宅サイズで壁や開口部をつくり、プロダクトだけでなく展示方法も高評価でした。

INTERIOR JOURNEY

デザイントリオ、ビッグゲームによる新作ソファとローチェアを美しくスタイリング。

INTERIOR JOURNEY

ミラノサローネ出展も9年目となるマルニ木工。整然と並べられたコレクションが目を引きます。

INTERIOR JOURNEY

張り座バージョンが仲間入りした「HIROSHIMA」アームチェア。スタッキング可能なのでオフィス需要にも対応。

INTERIOR JOURNEY

左:リッツウェルのブースにて。「マルセルチェア」のフォルムが際立つダイニングセットはゴールドの照明でトレンド感をプラス。右上:カーブを描くヘッドレストが安堵感をもたらしてくれる「ベアトリクス」。右下:リッツウェルの代名詞ともいえる、ウォールナット材のテーブルを囲んだコージーな空間。

今回の新作には日本上陸がまだ先のものもありますが、カーテンやクッションをピンクやグリーンに変えたり、大理石素材の小物をプラスしたり、まずは身近なアイテムでトレンドを取り入れてみてはいかがでしょう。

ミラノサローネ国際家具見本市(次回の開催予定)

会期: 2018年4月17日(水)〜22日(日)
会場: ロー・フィエラ・ミラノほか(Strada Statale del Sempione, 28-20017 Rho)

http://www.milanosalone.com